クリスチャンパパ物語

How sweet are your words to my taste, sweeter than honey to my mouth! Psalms119:103

旧約聖書緒論: エゼキエル書

【位置づけと著者】

  エゼキエル書大預言書(the Major Prphets)の一つで、捕囚期中預言書です。その著者は預言者エゼキエルです(1:3)。彼は祭司の家系に生まれ、長老たちが彼の家に集まっている様子などから(8:1)、ユダヤ人たちのリーダーとして民衆の間で活躍した人物だったことが分かります。また、彼は第二次捕囚(前597年)でバビロンへ連れて行かれたのち、紀元前593年に預言職へと召された。彼は捕囚の民に対して預言を語った”捕囚期の預言者”であり、約28年間(紀元前571年頃まで)預言者としての働きを続けました

 

【執筆年代】

 エゼキエル書は紀元前593~571年の間、バビロン捕囚の期間中に書かれたと言われています。彼の預言はすべてバビロンでなされ、その対象は捕囚となってバビロンに連れて来られた人々です。その大半はエゼキエルと一緒に第二次捕囚時に連行された者たちでした。この書は、エルサレムが崩壊する前から預言が始まっています。

 

【執筆目的】

 この書は、バビロンでの捕囚は不従順な民を背教から立ち返らせ、彼らの王国を確立するために必要なものであることを教えるために書かれたエゼキエル書の内容は、年代的に紀元前586年のエルサレムの崩壊で区切られます。エルサレムの崩壊(33:21)が起こるまでは、エルサレムにすぐ戻れると期待する楽観的な民に対して、エゼキエルは呪いと裁きについて語り、エルサレムが崩壊して以降は、エルサレムが必ず回復するという慰めと希望のメッセージを語りました。捕囚の苦しみに嘆く民に対して、エゼキエルは確かに捕囚は神のさばきであるが、同時に神は捕囚によって不従順なイスラエルの民に悔い改めを与え、新たに王国を確立する準備をなさるのだと語りました。

 

【内容】

 エゼキエル書は、内容を三区分することができます。一つ目はユダとエルサレムの崩壊の宣言(1~24章)、二つ目は他国に対する裁きの宣言(25~32章)、三つ目はイスラエルの回復の約束(33~48章)です。

 一つ目の区分の内容は次のようなものです。エゼキエルが、反逆の民イスラエルに神のことばを告げる預言者、イスラエルの家の見張り人として召されます(1~3)。彼は、イスラエルの民の悪を明らかにすることで、彼らが裁きを受けなければいけないことを教えます(4~12)。そして、アブラハムとの関係ゆえに神の裁きが下らないと考えるイスラエルの民に裁きは必ずやってくること(13~19章)、また、ユダの不従順と堕落の歴史を語り、それでも神がご自身の御名を守られることを教えます(20~24章)。

 二つ目の区分では、イスラエルの周りの7つの国々に対する神の裁きが宣告されます。それらの国々は、神によってさばきの道具として用いられ、エルサレムの滅亡を助ける国々です。その当時の人々が持っていた、"戦いに負けた国の神は劣った神である"という考えがいかに間違っているかも教えられています。

 三つ目の区分では、神様が与えられるユダの回復に焦点が当てられます。神の裁きユダに下りますが、その裁きは永遠に続くのではなく、神は回復の業を必ずなさることが語られています。そして、40章からは、千年王国時代における神殿について記されています。